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言語化してみる




思考を言語化するのは簡単ではない。簡単どころか、とてもとても難しい。


無意識でひいた(と思われる)線でも脳はそれを選択したはずで、偶然ではなく必然の行為だと思う。ではなぜその線でなければいけなかったのか。その色を選んだのは、その形にしたのはなぜ?なぜ?


なんとなく描くことを続けていくと、それは創作ではなく作業となってこれ以上先へは進まない、というより進めない。脳はなるべくエネルギーを使いたくないので、すぐにラクをし田がる。だから放っておくと(考えることをやめると)いつものやり方を繰り返す。

描いていて、ふと『ああ、また手の癖がやってきた』と気づくことがある。

私は作品を量産したいのではなくて、常に新しい何か、それは技術的なことだったり感覚的なことだったりを手に入れたいと思っているのでこれは望まない状態なのだ。


そこで、最近は描いている途中で、自分の考えを頭の中で言語化するようにしている。なぜその色なのか、思っていたように仕上がった、あるいは仕上がらなかった原因は何か。ひとつひとつ考えて答えを探す。そこに正解はなくても、考えることを繰り返す過程で少しずつ思考に厚みが出てくるのではないかと思っている。

他の人は当たり前にやっているのかも知れないけれど、私はこれまでやってこなかったのだ。なかなかしんどい作業ではある。


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